ロイヤリティとは、文脈によって「忠誠心」または「権利使用料」という全く異なる2つの意味を持つ言葉です。
英語のスペルが違うため、日本では「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」で使い分けられることもあります。
この違いを理解し、それぞれの意味におけるメリットの享受や向上施策を講じることは、ビジネスの成長に不可欠です。
本記事では、2つのロイヤリティについて、その意味や使い方、向上させる方法を解説します。
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INDEX
ロイヤリティには2つの意味がある!LoyaltyとRoyaltyの違いを解説
日本語の「ロイヤリティ」には、英語のスペルが異なる2つの言葉が由来として存在します。
一つは「Loyalty」で「忠誠心」を、もう一つは「Royalty」で「権利使用料」を意味します。
発音が似ているため混同されがちですが、元々の意味や由来は全く異なります。
特に「Royalty」は王族や王位といった言葉と関連が深く、王が権利に対して課した税が語源とされています。
ビジネスシーンでは、これら似た言葉を文脈に応じて正しく理解することが求められます。
Lから始まる「Loyalty」は忠誠心や愛着を指す
Lから始まる「Loyalty」は、人や組織、ブランドなどに対して持つ忠誠心や愛着、誠実さといった感情的な繋がりを意味します。
日本語では「忠誠」や「信義」などと訳され、ビジネスの文脈では顧客の企業に対する愛着や、従業員の組織への帰属意識といった意味で使われます。
これは、単なる満足度とは異なり、対象に対して深い信頼や共感を持ち、長期的な関係性を築いている状態を指す言葉です。
言い換えれば、競合他社に乗り換えにくい強い結びつきがある状態です。
Rから始まる「Royalty」は権利の使用料を指す
Rから始まる「Royalty」は、特許権や商標権、著作権などの特定の権利を利用する際に、その対価として権利の所有者に支払う使用料を指します。
この支払いはライセンス契約に基づいて行われ、権利者にとっては報酬となります。
具体的な例として、フランチャイズの加盟店が本部に支払う加盟金や、音楽や書籍の印税などが挙げられます。
この使用料はフィーやレントといった形で支払いが発生し、権利をもらう側は契約で定められたレートの対価を支払う義務を負います。
権利使用料を意味する「ロイヤルティ(Royalty)」とは?
権利使用料を指すロイヤルティ(Royalty)は、特定の権利やノウハウ、ブランドなどを使用するために、権利者との契約に基づいて発生する支払いのことです。
このライセンス料は、権利を利用する側にとっては事業を運営するための費用となり、権利を提供する側にとっては重要な収入源となります。
フランチャイズ契約や知的財産権のライセンス契約などで用いられ、その金額や支払い方法は契約内容によって定められます。
フランチャイズ経営で本部に支払う対価
フランチャイズ経営におけるロイヤルティは、加盟店が本部(フランチャイザー)の確立されたブランド名、商品、経営ノウハウなどを利用する対価として支払う使用料です。
コンビニや飲食店などのチェーン店では、本部が提供するブランド力や確立された仕入ルート、運営サポートなどによって、加盟店は未経験からでも比較的スムーズに店舗運営を開始できます。
この対価として、売上や利益の一部を本部に定期的に支払う仕組みが一般的です。
特許や商標などの権利使用料
特許権や商標権といった知的財産権の使用料もロイヤルティの一種です。
他社が開発した技術や、登録されたブランド名・ロゴを自社の製品やサービスで利用したい場合、権利を所有する企業や個人に使用許諾を得て、その対価としてロイヤルティを支払います。
これにより、自社でゼロから開発する時間やコストを削減しながら、競争力のある製品やサービスを提供することが可能になります。
印税や著作権使用料もロイヤルティの一種
書籍の著者や音楽の作曲家などが受け取る印税も、著作権の使用料としてロイヤルティに含まれます。
出版社やレコード会社は、作品を販売・配信することで得た利益の一部を、著作権者である作者にロイヤルティとして支払います。
また、音楽や画像などの分野では「ロイヤリティフリー」という言葉も存在します。
ロイヤリティフリーとは、一度使用料を支払えば、その後は追加の支払いなしで繰り返し使用できるライセンス形態を指します。
代表的なロイヤルティの計算方式3選
ロイヤルティの算出には、主に3つの計算方式が存在します。
一つ目は、売上高に一定の割合を掛ける「売上歩合方式」で、最も広く採用されています。
二つ目は、売上から原価を引いた粗利を基準に算出する「粗利分配方式」です。
そして三つ目が、売上や利益に関わらず毎月決められた金額を支払う「定額方式」です。
どの方式を採用するかは、業種や契約内容、ビジネスモデルによって決め方が異なり、それぞれのメリット・デメリットを考慮して選択されます。
忠誠心や愛着を意味する「ロイヤリティ(Loyalty)」とは?
忠誠心や愛着を意味するロイヤリティとは、顧客が特定の企業やブランドに、あるいは社員が所属する組織に対して抱く信頼や貢献意欲のことです。
顧客ロイヤリティが高い状態では、消費者はその企業の商品を継続的に購入し、他者にも推薦する傾向があります。
また、従業員ロイヤリティが高い会社では、社員の定着率が向上し、組織全体の生産性向上にも繋がります。
どちらも企業経営における重要な無形資産と見なされています。
マーケティングにおける「顧客ロイヤリティ」
マーケティングにおける顧客ロイヤリティとは、消費者が特定の商品やブランド、ストアに対して抱く信頼や愛着を指します。
ロイヤリティの高い顧客層は、価格の変動や競合他社のキャンペーンに左右されにくく、継続的に商品を購入してくれる優良なユーザーです。
これは単なる購入後の満足度とは異なり、ブランドの世界観への共感や、特別な顧客体験を通じて育まれる長期的な関係性に基づいています。
カスタマーサポートの質もロイヤリティに影響を与える重要な要素です。
人事領域における「従業員ロイヤリティ」
人事領域における従業員ロイヤリティとは、社員が所属する会社や組織に対して抱く忠誠心や貢献意欲、帰属意識を指します。
このロイヤリティが高い社員は、企業の理念やビジョンに共感し、自発的に組織へ貢献しようとします。
類似の概念に「従業員エンゲージメント」がありますが、エンゲージメントが仕事への熱意や貢献意欲といった、より積極的な関与を指すのに対し、ロイヤリティは組織への忠実さや誠実さという側面が強いという違いがあります。
顧客ロイヤリティを高める3つのメリット
顧客ロイヤリティの向上は、企業に多くのメリットをもたらします。
顧客がブランドに対して強い愛着や信頼を抱くことで、売上の安定化や顧客単価の上昇が見込めます。
さらに、ロイヤリティの高い顧客は自発的に良い口コミを広めてくれるため、広告宣伝費を抑えながら新規顧客を獲得する効果も期待できます。
これらは、持続的な事業成長を実現するための重要な基盤となります。
リピート購入による売上の安定化
顧客ロイヤリティが高い顧客は、特定の商品やサービスを繰り返し購入する傾向が強いため、企業の売上を安定させる基盤となります。
新規顧客の獲得には多大なコストがかかる一方、既存顧客の維持は比較的低コストで実現できます。
ロイヤリティの高い顧客は、他社に乗り換える可能性が低く、長期にわたって企業に利益をもたらしてくれます。
これにより、将来の売上予測が立てやすくなり、安定した経営計画の策定が可能になります。
顧客単価の上昇が期待できる
ロイヤリティの高い顧客は、企業やブランドに対して深い信頼を寄せているため、関連商品やより高価格帯の上位モデルなども積極的に購入してくれる傾向があります。
一度の購入で終わらず、クロスセルやアップセルに繋がりやすくなることで、顧客一人当たりの生涯価値(LTV)が向上します。
結果として、全体の売上を伸ばす上で重要な要素である顧客単価の上昇に直結し、企業の収益性を高めることに貢献します。
口コミや紹介による新規顧客の獲得
顧客ロイヤリティが高い消費者は、満足度の高い体験を友人や知人、あるいはSNSなどで自発的に共有してくれる強力な広告塔となります。
このような好意的な口コミや紹介は、企業が発信する広告よりも信頼性が高く、新規顧客の獲得に非常に効果的です。
広告宣伝費をかけずに新たな顧客層にアプローチできるため、マーケティングコストの削減と効率的な顧客獲得を両立させることが可能になります。
顧客ロイヤリティを向上させるための具体的な施策
顧客ロイヤリティを向上させるには、顧客の期待を超える体験を提供し、長期的な信頼関係を築く戦略が不可欠です。
これには、高品質な製品の提供はもちろん、顧客との継続的なコミュニケーションや、優良顧客を特別扱いするロイヤリティプログラムの導入などが含まれます。
また、NPS(ネット・プロモーター・スコア)などの指標を用いて定期的にロイヤリティを調査・分析し、施策の効果を測定することも重要です。
高品質な商品やサービスで顧客体験を向上させる
顧客ロイヤリティ向上の根幹をなすのは、高品質な商品やサービスの提供です。
顧客の期待を上回る価値を提供し、購入から利用、アフターサポートに至るまでの一貫した優れた顧客体験を創出することが重要です。
製品の品質はもちろん、問い合わせに対する迅速で丁寧な対応や、使いやすいウェブサイト設計など、あらゆる顧客接点において満足度を高める努力が、ブランドへの信頼と愛着を育む第一歩となります。
顧客との継続的なコミュニケーションを築く
顧客との関係性を一過性のものにせず、継続的なコミュニケーションを通じて深めていくことがロイヤリティ向上に繋がります。
メールマガジンやSNS、公式アプリなどを活用し、顧客にとって有益な情報やブランドの最新情報を定期的に発信します。
ユーザーの興味や購買履歴に合わせたパーソナライズされた情報提供は、顧客に「自分のことを理解してくれている」という特別感を与え、エンゲージメントを高める上で効果的です。
会員ランク制度や優良顧客向けの特典を用意する
購入金額や頻度に応じて特典を提供するロイヤリティプログラムは、顧客の継続利用を促す有効な施策です。
会員ランク制度を設け、上位ランクのメンバーには限定クーポンや先行販売、特別なイベントへの招待といったインセンティブを用意します。
こうした優遇措置は、顧客に「特別な存在」として扱われている満足感を与え、ブランドへの愛着を一層深める効果があります。
これにより、優良顧客の維持と育成を図ることができます。
従業員ロイヤリティを高めることで企業が得られるメリット
従業員ロイヤリティを高めることは、組織にとって多くのメリットをもたらします。
社員が自社に誇りと愛着を持つことで、離職率の低下や生産性の向上といった直接的な効果が期待できます。
さらに、従業員一人ひとりのモチベーションが高まることで、組織全体のエンゲージメントが強化され、変化に強い持続可能な企業体質の構築に繋がります。
優秀な人材の定着は、企業の競争力を維持・向上させる上で不可欠な要素です。
離職率が低下し優秀な人材が定着する
従業員ロイヤリティが高い企業では、社員が会社に対して強い帰属意識を持っているため、離職率が低下する傾向にあります。
優秀な人材が長期間にわたって定着することで、採用や教育にかかるコストを削減できるだけでなく、組織内に知識やノウハウが蓄積されます。
これにより、事業の継続性が保たれ、安定した組織運営が可能になります。
結果として、企業の競争力を維持・向上させる上で大きなアドバンテージとなります。
従業員のモチベーションが向上し生産性が高まる
自社に誇りと愛着を持つ従業員は、仕事に対するモチベーションが高く、自発的に業務改善や新たな挑戦に取り組む傾向があります。
このような主体的な働き方は、個人のパフォーマンス向上だけでなく、チームや部署全体の生産性を高める効果をもたらします。
企業の成功を自らの成功と捉え、積極的に貢献しようとする姿勢が、組織全体の活力を生み出し、持続的な成長の原動力となります。
組織全体のエンゲージメントが強化される
従業員ロイヤリティとエンゲージメントは密接に関連しており、ロイヤリティの向上は組織全体のエンゲージメント強化に繋がります。
エンゲージメントが高い組織では、従業員同士の連携がスムーズになり、部門を超えた協力体制が生まれやすくなります。
企業のビジョンや目標達成に向けて、全社一丸となって取り組む風土が醸成されることで、組織としての一体感が高まり、より大きな成果を生み出すことが可能になります。
従業員ロイヤリティを高めるための効果的な取り組み
従業員ロイヤリティを高めるためには、企業理念の浸透や公正な評価制度、そして安心して働ける職場環境の整備といった多角的なアプローチが効果的です。
社員が自社で働くことに誇りと意義を感じ、正当に評価され、心身ともに健康でいられる環境を整えることが、結果として組織への忠誠心を育むことに繋がります。
これらの取り組みは、従業員の満足度を高めるだけでなく、企業の持続的な成長を支える基盤となります。
企業のビジョンやミッションを共有し共感を促す
従業員ロイヤリティを高めるためには、まず企業が目指す方向性であるビジョンや、社会における存在意義を示すミッションを全従業員と共有することが重要です。
経営層がこれらの理念を繰り返し伝え、従業員が自らの業務と組織の目標との繋がりを実感できるように働きかけます。
企業の目指す未来に共感し、自らの仕事に誇りを持つことができれば、組織への貢献意欲、すなわちロイヤルティは自然と高まっていきます。
公正で透明性の高い人事評価制度を導入する
従業員が自身の働きや成果が正当に評価されていると感じられることは、ロイヤリティを維持・向上させる上で不可欠です。
評価基準が明確で、そのプロセスが透明化された人事評価制度を導入し、定期的なフィードバックの機会を設けます。
従業員一人ひとりの貢献を客観的な基準で評価し、昇給や昇進に適切に反映させることで、会社への信頼感が高まり、仕事へのモチベーション向上にも繋がります。
従業員が安心して働ける職場環境を整備する
心身ともに健康で、安心して長く働ける職場環境の整備は、従業員ロイヤリティの基盤です。
長時間労働の維持やハラスメント防止策の徹底はもちろん、福利厚生の充実や柔軟な働き方を可能にする制度の導入などが含まれます。
社員が会社から大切にされていると感じられる環境は、組織への愛着を育み、エンゲージメントを高めます。
これにより、優秀な人材の定着と生産性の向上を両立させることが可能です。

ロイヤリティに関するよくある質問
ここでは、ロイヤリティという言葉の使い方や関連用語との違いなど、ビジネスシーンで抱かれがちな疑問について回答します。
特に混同されやすい「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」の使い分けや、顧客ロイヤリティと顧客満足度の関係性、フランチャイズにおけるロイヤルティの相場観などを解説します。
これらの知識は、円滑なコミュニケーションと正確なビジネス判断のために役立ちます。
ロイヤリティとロイヤルティ、結局どう使い分ければいい?
一般的に「忠誠心」はロイヤリティ(Loyalty)、「権利使用料」はロイヤルティ(Royalty)と表記して使い分けます。
LとRの英語発音の違いをカタカナで表現したものです。
ただし、厳密なルールはなく、どちらも「ロイヤリティ」と表記されることも多いため、最終的には文脈でどちらの意味かを判断することが重要です。
顧客ロイヤリティと顧客満足度の違いは何ですか?
顧客満足度は商品購入など個別の取引に対する短期的な評価である一方、顧客ロイヤリティは企業やブランドへの信頼や愛着といった長期的・感情的な繋がりを指します。
満足度が高くても安易に他社へ乗り換える「見せかけのロイヤリティ」も存在するため、両者の違いを理解し、真のロイヤルカスタマーを育てることが重要です。
フランチャイズのロイヤルティの相場はどのくらいですか?
フランチャイズのロイヤルティ相場は、業種やブランド力で大きく異なりますが、売上歩合方式で売上の3~10%程度が一般的です。
コンビニ業界では粗利分配方式、学習塾などでは定額方式が採用されることもあります。
契約前にロイヤルティの算出タイプや料率を十分に確認することが不可欠です。

まとめ
「ロイヤリティ」という言葉は、「Loyalty(忠誠心)」と「Royalty(権利使用料)」という2つの異なる意味を持ちます。
前者は顧客や従業員との長期的な信頼関係を指す無形の資産であり、後者はフランチャイズのビジネスモデルなどで発生する具体的な経費や費用です。
どちらのロイヤリティもビジネスの成否に深く関わっており、それぞれの意味を正確に理解し、適切に管理・向上させていくことが、企業の持続的な成長を支える鍵となります。
