路面店とは?テナントの違いを解説!

店舗出店を検討されている事業者の方にとって、路面店は魅力的な選択肢の一つです。
しかし、具体的にどのような特徴があり、他の店舗形態、特にテナントとはどう違うのか、費用面や集客についてどのような可能性があるのか、といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、路面店の基本的な定義から、メリット・デメリット、テナントとの違い、そして出店を成功させるためのポイントまで、分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、路面店という選択肢を多角的に理解し、ご自身の事業に合った店舗形態を見つけるための一助となる情報が得られるでしょう。

路面店とは

路面店とは、文字通り「路面」に面した店舗のことを指し、建物の1階部分に位置しているのが一般的です。
通行人が直接店舗にアクセスできる点が大きな特徴と言えます。
この路面店は、飲食店やアパレルショップ、美容院など、様々な業種で多く見られる店舗形態です。

では、具体的にどのような定義があり、他の店舗形態、特にテナントとはどのように区別されるのでしょうか。

通りに面した店舗の定義

路面店は、建物の1階にあり、道路や人通りのある道に直接面している店舗を指します。

通行人が、簡単に店舗の出入口にアクセスできる点が最大の特徴です。

駅前通りや商店街など、たくさんの人が行き交う場所に位置することが多く、その立地の良さから、色んな人に認識してもらえる可能性があります。

店舗の顔が通りに開かれているため、外観や看板、ディスプレイなどが直接通行人の目に留まり、店舗の存在をアピールしやすい形態と言えるわけです。

このような路面店は、とりわけコンビニエンスストアやカフェ、ラーメン店など、通りがかりの集客を重視する業態に見られる形態と言えるでしょう。

テナントとの区別

路面店とよく比較されるのが、テナントと呼ばれる形態です。

テナントは、オフィスビルや商業施設、ショッピングモールなど、他の事業者が所有する建物や施設内の一画を借りて営業する店舗を指します。

路面店が通りに直接面しているのに対し、テナントは建物の中にあるため、施設の共用部分を通ってアクセスすることが一般的です。

また、テナントの場合、施設の営業時間や規則に営業時間が制限されることがありますが、路面店の場合は比較的自由に営業時間を設定できるという違いがあります。

基本的には賃料の算出方法も異なり、テナントでは売上高に応じて変動する契約形態(歩合賃料)が採用されることもありますが、路面店は固定賃料がスタンダードです。

つまり、路面店は独立性があって店舗独自の運営スタイルを確立しやすい一方、テナントは施設の集客力やブランド力を活用できるという利点があります。

路面店のメリット

ここからは、路面店のメリットについて見ていきましょう。

高い集客力が見込める理由

路面店の最大のメリットの一つは、その高い集客力にあります。

通りに面しているため、多くの通行人の目に留まりやすく、自然と店舗の存在をアピールできるのが強みです。

人通りの多い立地であれば、歩いている人がそのまま顧客となる可能性があるでしょう。

店舗自体の視認性が高いため、看板や外観デザインによって店舗のコンセプトや提供しているサービスを効果的に伝えることができ、興味を持った人がふらりと立ち寄りやすい環境を作り出せます。

他の店舗と比較して店へのアクセスが楽な点も、集客力を高める要因となるはずです。

店舗デザインの自由度

路面店は、店舗の外観や内装のデザインにおいて比較的自由度が高いのもメリットです。

建物の1階部分を単独で使用することが多いため、自社のブランドイメージやコンセプトを反映させた独自の店舗空間を作りやすいです。

例えば、アパレルショップであれば、ウィンドウディスプレイを工夫することで、通行人の興味を引きつけ、店舗の世界観を効果的に表現できます。

内装も、ターゲット顧客層に合わせた雰囲気や機能性を自由に設計できます。

これにより、顧客にとって魅力的で記憶に残りやすい店舗となり、リピート率の向上や口コミによる新規顧客獲得にも繋がりやすくなるのではないでしょうか。

宣伝効果の高さ

路面店は、店舗自体が効果的な宣伝媒体となります。

通りに面しているため、店舗の外観や看板、ディスプレイなどが常に人目に触れる状態にあります。

とりわけ、デザイン性の高い外観や魅力的なディスプレイは、通行人の注意を引きつけ、店舗の存在を強く印象づけることが可能です。

また、店内で活気のある様子が見えたり、商品がきれいに陳列されていたりすると、それがそのまま「見込み客」へのアピールとなるはずです。

単純に店舗の場所がわかりやすいので、一度来店した顧客が他の人に紹介しやすいという側面もあるでしょう。

このように、特別な広告費をかけずとも店舗の立地と外観、そして日々の店舗運営そのものが、継続的な宣伝効果を生み出してくれるのではないでしょうか。

営業時間に関する柔軟性

路面店は、営業時間を比較的自由に設定できるというメリットもあります。

ショッピングモールなどの商業施設内のテナントの場合、施設の営業時間に合わせて営業する必要がありますが、路面店であればオーナーの判断で営業時間を決められるため、ターゲット顧客のライフスタイルや地域のニーズに合わせて柔軟に対応することが可能です。

例えば、通勤客が多い立地であれば早朝から営業したり、夜の集客が見込める業態であれば深夜まで営業したりするなど、ビジネスチャンスを最大限に活かすことができます。

営業時間の自由度は、特定の時間帯に集客のピークがある業種にとって、非常に大きなメリットです。

アクセスの容易さ

路面店は、顧客にとってアクセスしやすいという大きなメリットがあります。

建物の1階に位置し、通りから直接入店できるので、階段の上り下りやエレベーターの利用が不要です。

これはベビーカーを利用している顧客や高齢者、体の不自由な方などにとって、利用しやすい環境作りに繋がると言えるでしょう。

また、急いでいる人や気軽に立ち寄りたいと考えている人にとっても、スムーズに入店できる路面店は利用しやすいと感じられるのではないでしょうか。

路面店のデメリット

ここでは、路面店のデメリットについて見ていきましょう。

費用面がどうしても高額になる

路面店を出店するにあたって、費用面はデメリットの一つです。

路面店は、他の店舗と比較して賃料が高めに設定される傾向があります。

これは視認性の高さや集客力の高さといったメリットが反映されているためです。

とりわけ、人通りの多い一等地や繁華街の路面店は、賃料だけでなく保証金や敷金、礼金といった初期費用も高額になる可能性があります。

また、店舗の外観や内装を自由にデザインできる反面、魅力的な店舗を作り上げるためにはそれなりの内外装工事費用が必要となるかもしれません。

それらの費用については、十分な資金計画が欠かせません。

店舗自身の集客努力が必要

路面店は高い集客力が見込めますが、同時に店舗自身の集客努力も必要です。

商業施設内のテナントとは異なり、施設全体の集客力に頼ることができないため、店舗の存在を認知してもらい、来店を促すための独自の集客施策を講じる必要があります。

具体的には、看板やのぼり旗の設置、SNSを活用した情報発信、チラシ配布、イベント開催など、様々な方法が考えられるでしょう。

特に競争の激しいエリアでは、他の路面店との差別化を図り、顧客に選ばれるための積極的なアプローチが求められます。

良い物件が見つかりにくい

路面店の人気の高さゆえに、希望する条件に合う良い物件を見つけるのが難しいです。

中でも、人通りの多い好立地の物件は競争率が高く、なかなか空きが出ないことも珍しくありません。

希望するエリアや広さ、賃料といった条件を満たす物件が見つかるまで、時間がかかる可能性があります。

なお、物件探しに時間がかかると事業計画全体の遅れに繋がることもあるので、物件探しは余裕をもって行うこと、複数の不動産業者に相談すること、そして多少条件を緩和することも視野に入れるなど、戦略的に進める必要があるのではないでしょうか。

まずは、いくつかの候補を挙げて同時進行で検討したいところです。

まとめ

路面店は、通りに面した1階にある店舗として、高い視認性と集客力、そして店舗デザインや営業時間設定における自由度の高さが魅力です。

これから店舗を出店しようと考えている事業者にとって、多くのメリットを享受できる店舗形態と言えるでしょう。

しかし、その一方で、テナントと比較して一般的に賃料や初期費用が高くなる傾向があり、店舗自身の集客努力も不可欠といったデメリットも少なくありません。

また、好立地の物件は競争率が高く、希望通りの物件を見つけるのに時間がかかる可能性もあります。

したがって、路面店での出店を検討する際には、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、ご自身の事業内容やターゲット顧客、そして資金計画と照らし合わせて慎重に判断することが重要です。

立地による集客の見込み、必要な内外装費用、継続的な集客活動にかかるリソースなどを具体的に検討し、路面店が自身のビジネスにとって最適な選択肢であるかを見極めることが大切となります。

まずは、当記事で解説した内容を参考にしながら、事業計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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#カケハシ 編集部

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