日々の仕事に追われる中で、窓際社員という言葉を耳にしたことはありませんか？
最近ではあまり目にしなくなったものの、現代でも窓際社員と呼ばれ職場に居場所がない人も決して珍しくはありません。
では、なぜそのような状況が生まれるのか、そしてもし自身がそのような立場になったらどうすれば良いのか、知っておいて損はないです。
筆者もかつては窓際社員だったからこそ、みなさんに現実を伝えたい……。
この記事では、窓際社員とは、なりやすい人の特徴、実態とリスク、ならないためには、なってしまった場合の対応について詳しく解説します。
窓際社員とは
まずは、窓際社員とはどのような人なのかについて見ていきましょう。
窓際社員の定義と背景
窓際社員とは、企業内で出世コースから外れ、年齢や役職に見合った重要な仕事を任されていない社員を指す言葉です。
組織からメインプレーヤーとして評価されず、会社の利益に直接関わる仕事を与えられないまま、まるでオフィスの窓際や隅に追いやられたような状態を意味します。
この言葉は1970年代、高度経済成長期が終焉を迎え経済が不安定になり始めた頃に生まれたとされており、終身雇用制度の下で簡単に解雇されなかった社員が、仕事を与えられない状況に置かれたことが由来とされています。
現代ではあまり使用されなくなってきましたが、それでも未だに窓際社員と同様の扱いを受けている人は珍しくないです。
社内ニートとの違い
窓際社員と似た言葉に社内ニートがありますが、意味は別物です。
- 社内ニート
⇒仕事に対する意欲や主体性がなく、最低限の業務しかしない社員を表す
⇒主に若手社員や中堅社員に対して使用される傾向がある - 窓際社員
⇒主に中高年の社員に対して使用される言葉とされる
⇒スキルの問題で仕事を振ってもらえない状況を指す
どちらも会社に属しているにも関わらず、時間を持て余している状態を指す点では共通しているものの、自主的に何もしない人を社内ニート、何かしたいものの能力的に仕事を振ってもらえなくなってしまった人を窓際社員と言います。
窓際社員になりやすい人の特徴
次に、窓際社員になりやすい人の特徴について見ていきましょう。
仕事の生産性が低い
仕事の生産性が低い人は、窓際社員になりやすい特徴の一つです。
任された業務を時間内に終えられなかったり、期待される成果を出せなかったりすると、次第に重要な仕事を任されなくなる可能性があります。
とりわけ、周囲に迷惑をかけるほど仕事が遅い場合、徐々に業務を依頼されなくなり、結果として窓際へと追いやられてしまうことが珍しくありません。
仕事への積極性や責任感がない
仕事に対して積極性や責任感がない人も、窓際社員になるリスクがあります。
指示されたことだけをこなす受け身の姿勢や、「どうせクビにならないだろう」と仕事に対する責任感を持たない態度は、周囲からの信頼を失いかねません。
自分の担当した仕事でミスをしたり、その後の対応を他人に任せたりすることが続くと「この人に仕事を任せられない」と判断され、責任の軽い簡単な業務しか与えられなくなることが珍しくないです。
コミュニケーションが苦手
コミュニケーションが苦手なことも、窓際社員になりやすい特徴の一つ。
社内の同僚や上司、取引先との円滑なコミュニケーションは、仕事を進める上で重要です。
報告・連絡・相談（報連相）が不足したり、自分の意見を伝えられなかったりすると、業務に支障をきたし、周囲からの信頼を得ることが難しくなります。
結果的に「あの人に任せると連携が取れない」という印象を与え、次第に仕事が回ってこなくなるわけです。
筆者もコミュニケーション不足で誤解を与えてしまった経験があり、「普段の会話が大切だったんだ」と実感しています。
窓際社員の実態とリスク
ここからは、窓際社員の実態とリスクについて見ていきましょう。
窓際社員を希望する若者
近年、若手社員の中には窓際社員の立場を希望する人もいるようです。
これは「仕事内容に対して安定した給料が得られる」あるいは「副業で収入を得ているため本業に期待していない」といった理由が背景にあると考えられます。
ただ、仕事のやりがいや自身の成長を犠牲にしていることに気づかず、目先の楽さに惹かれてしまうと成長はできません。
窓際社員でいるリスク
窓際社員にはいくつかのリスクがあります。
- 責任のある業務を任されず、昇給や賞与が見込みにくい
- 他の社員に比べて収入を得にくい状況になりやすい
- 仕事を通して新しい経験を積む機会が限られる
- 将来的なキャリア形成に支障をきたす
仮に自らの意思で窓際社員になったわけでなくとも、状況を改善しない限りは明るい未来を築くのは大変です。
もし不可抗力で窓際社員になってしまった場合は、転職を検討すると良いかもしれません。
将来的なリスク
窓際社員は、将来的にリスクに直面する可能性があります。
会社の経営状況が悪化した場合にリストラの対象になりやすかったり、生産性の低い社員と見なされて人員整理で名前が挙がったりしやすいです。
また、窓際社員としての期間が長引くと新しいスキルが不足し、いざ転職を考えても希望する仕事が見つかりにくいというリスクも伴います。
社内での立場が厳しくなることで周囲からの視線を感じ、肉体的にも精神的にもストレスを抱えることもあるかもしれません。
だからこそ、窓際社員は早々に脱却するのが理想です。
窓際社員にならないためには
ここでは、窓際社員にならないためにはどうすれば良いのかについて見ていきましょう。
積極的に仕事に取り組む
窓際社員にならないためには、まず積極的に仕事に取り組む姿勢が必須です。
与えられた業務だけでなく、自ら新しい仕事を見つけたり、周囲の力になったりすることで、社内での存在感を示すことができます。
積極的に行動することで、上司や同僚からの評価や信頼を得やすくなり、責任のある仕事を任される機会もできてくるのではないでしょうか。
スキルアップを図る
自身のスキルアップを図ることも、窓際社員にならないために必要なことです。
現在の業務に必要なスキルを磨くだけでなく、将来的に必要とされるであろうスキルを習得することで、自身の市場価値をアップさせられます。
会社での研修制度を活用したり、資格取得を目指したり、業務に関連する書籍や情報に触れたりするなど、自己投資を惜しまない姿勢が求められるでしょう。
スキルアップは、変化の激しい現代社会で自身のキャリアを守るための有効な手段と言っても過言ではありません。
周囲とコミュニケーションをとる
周囲との良好なコミュニケーションは、窓際社員にならないためにも欠かせません。
日頃から同僚や上司と積極的にコミュニケーションを取り、良好な人間関係を築くよう努め、報連相を徹底して自分の状況や業務の進捗を周囲に共有することで、誤解やすれ違いを防ぎ、円滑に仕事を進めることができます。
困った際や悩んでいる時には、遠慮なく周囲に助けを求めるべきです。
社内で孤立せず、チームの一員として協力し合う姿勢を持つことで、窓際社員化を防ぐ助けとなるかもしれません。
窓際社員になってしまった場合の対応
最後に、窓際社員になってしまった場合の対応について見ていきましょう。
上司や同僚への相談
窓際社員になってしまったと感じたら、まずは上司や同僚に相談してみてください。
自分の状況を正直に話し、業務の改善や新しい仕事の機会について相談することで、状況が変わる可能性があります。
例えば、現在の部署での業務内容について具体的な希望を伝えたり、他の部署への異動の可能性について相談したりするだけで状況が改善される場合も珍しくないです。
一人で悩まず、周囲の協力を得ることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
転職を検討する
現在の職場で状況の改善が見込めない場合は、転職を検討するのも一つの方法です。
窓際社員のまま働き続けることに限界を感じたり、自身のスキルや経験を活かせる環境を求めたりする場合、新たなスタートを切ることで状況を変えられます。
転職活動を通して、自身のキャリアを振り返り、関心のある分野ややってみたいことを改めて考える良い機会にもなるのではないでしょうか。
転職エージェントなどを活用することで、さらに自分の希望に合った企業を見つけやすくなるでしょう。
独立・開業・副業を検討する
会社に属しながらも時間を持て余している状況を逆手に取り、独立・開業・副業を検討することも可能です。
窓際社員であることによって生まれた時間を活用し、以前から興味があった分野や、自身のスキルを活かせる事業に挑戦してみるのもあり。
本業以外の活動を通して、新たな収入源を確保できるだけでなく、自身の可能性を広げ、仕事へのモチベーションを取り戻すきっかけになることもあります。
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まとめ
窓際社員は、会社における自身の立ち位置やキャリアについて深く考えるべき存在です。
もし自身が窓際社員という状況に置かれても、あるいはそうならないためにも、日々の仕事への向き合い方やスキルアップ、周囲とのコミュニケーションといった能動的なアクションが必要となります。
現状に立ち止まることなく、自身の市場価値を高め、変化を恐れずに新しいキャリアを模索することで、より充実した働き方を見つけることこそ成長に繋がります。
自己実現という意味でも、もし今「自分はもしかしたら窓際社員かもしれない」と感じたら、思い切って転職するのもありです。
まずは今一度自分自身のキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか。
